人工知能「A I元年」はいつなのか?
・・・もう、すぐそこまで来ている気がして、気になった本を読んでみました。
「人工知能と経済の未来」 井上智洋著。
あと30年後には、自分の働く場が無くなるかもしれない!?と思える内容です。AIが人間の知性を超えるというのは容易に想像ができると思いますが、最も悲観的な例え方は、AIが人間に代わって世界の覇権を握り、人間は支配されてしまう!という恐ろしいシナリオ。まさにターミネーターの世界。
ですが、そこまで急激に変化はせず、先ずはコンピューターと融合することによってできるポスト・ヒューマンになるのではないかという予測が順当です。
また、AIにも2種類あり、特化型AI→凡用型AIへと進化するパターン。レストランのウエイターやコックが全てロボットに変わったり、人間がパソコンで作業しているような事務処理は全て特化型AIにより、仕事を奪われてしまうとういこと。
その他にも、スーパーなどのレジ係、タクシーや運送業の運転手、フロント係など様々なジャンルの仕事が特化型AIに取って代わられるかもしれない!
さらに、2045年には「1割しか人間の仕事は残らない」一握りの有力者だけが残りその他の人間は餓死する、デストピアになる可能性もあるとのこと。。ウソでしょ!!
でも、可能性はゼロではないし・・・世界的にもAI産業は増々進行していくのは必然だと思うし、日本だけAIやらないよ!て訳にはいかないかと・・・そこで、著者が導入するべきだと提言しているのが「ベーシックインカム B I」という考え方。
❝「ベーシックインカム」は、収入の水準に拠らずに全ての人に無条件に、最低限の生活費を一律に給付する制度です。また、世帯ではなく個人(子供も)を単位として給付されるという特徴を持ちます。例えば、毎月7万円のお金が老若男女を問わず国民全員に給付されます。・・・つまり「みんな手当」と考えれば分かりやすいでしょう。(引用ここまで)❞
でも、この財源はいったい何処から?これだとみんな本当に働かなくなるのでは?ハイパーインフレの恐れが?などの疑念もあるのですが、筆者の考えでは財源は所得税や消費税の増税でまかうということ。また、支給額を1万円から徐々に上げていくようにすれば、インフレも防げるだろうと予測しています。
例えば、所得税25%増税したと仮定します。
【世帯年収400万円で3人世帯の場合】
増税額100万円、給付額252万円、純受益152万円の純受益。
【世帯年収500万円で2.5人世帯の場合】
増税額125万円、給付額210万円、純受益85万円の純受益。
という感じ。これは、多くの平均的な子育て世帯がBIの導入によって恩恵を受けることが出来ます。こうなってくると、子供をたくさん生み育てることが得になってきます。つまり少子化も解消できるかもしれません。
そして、超楽観的な考えでいけば、ほとんどの仕事はロボットにまかせ、BIだけで幸せに暮らせるユートピアが待っている!・・・らしいです。
でも、実際に仕事がなければ、世帯年収も減ってきてしまうので、単純計算通りにはいかないとは思いますが、ベーシック・インカムの考え方には賛成です。
実は同時にもう一冊こちらの本も読んでいたのですが、
「大往生したけりゃ医療とかかわるな」中村仁一著。
医療の現状と、人間誰でも間違いなくやってくる死について、医療業界のタブーを赤裸々に公言している内容です。著書の中でも「食べないから死ぬのではなく死ぬ時が来たから食べないのだ。」の内容にはショックを受けましたが、自然死を推奨し、無理な延命治療をしようとしている現状に問題提議をしています。
先程、ベーシック・インカムの財源について触れましたが、ヨーロッパの人はほとんど家で死ぬそうです。なぜかというと医療保険がほとんど出ないからです。逆に日本の患者は多額の医療保険が使われ、延命治療をし病院で亡くなります。
以上のことから、個人的にはベーシックインカムの導入で日本の医療保険のあり方にも、一度見直しが必要な時が来ているのではないかと思っています。そして、未来の子どもたちに必要な投資を国も積極的にしていき、より豊かな日本になれることを願っています。